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2003.01.18
現場レポート

東海テレビ放送株式会社新社屋新築工事

現場での配管工事を
素人の、しかも女の子が見たら
どんな感想を持つだろうか。
というわけで
その企画をさっそく実行してみました。
さた、その中味は。
■レポーター  「中配協」会報編集スタッフ 田中美子

左より窪田、森川、渡部課長、鞠川 
「遮音」「防振」「シールド」が最重要課題の現場
 取材日は新年の松の内が過ぎ、成人式が終わって、暦が大寒に入った厳しい寒気の日で、しかも冷たい小雨がそぼ降っていました。
 工事現場は名古屋市の都心一等地、名古屋市中区東桜一丁目一四一二。名古屋高速都心環状線が走る「東新町北」交差点の北西側、旧メルパルク跡地と言えば『ああ、あそこか』とうなずかれる人が多いでしょう。
 建物の概要は、敷地面積は既存部・増築部併せて8802.57㎡、建築面積(増築部)は2876.54㎡、延べ床面積は25315.18㎡。地下1階、地上15階、塔屋1階、最高高さ69.85mというもの。
 高速道路の高架が真横を通り、高層ビルが立ち並ぶ市街地で、周辺の通行者も多く、資材置き場やその搬入経路、駐車場、現場事務所の配置など、現場の環境整備にはご苦労があるだろうな、などと思いながら、鞠川大治企画委員長と共に、現場から200mほど離れた既存ビルの3階にある設備現場事務所を訪ねました。
建物用途は「テレビスタジオ」 設備の支持の90%以上に防振金具使用
 現場事務所では空調・衛生設備を担当する株式会社トーエネックの渡部篤課長が説明してくださいました。
 日本のデジタル放送化は2006年を目指していますが、東京・名古屋・大阪の放送各局は本年12月にアナログ放送と併用で対応するように決定しています。そのためにはテスト放送を含めて6ヶ月以上の準備期間が必要とのことで、この新社屋工事は本年4月の完成が大前提となっているのです。
 建設は「大成・大林・戸田建設工事共同企業体」。工期は平成十三年十月一日から本年四月三十日、解体工事を含め十八.五ヶ月という短期間の工程をクリアするため、特殊工法の「逆打ち工法」の発想を取り入れ、先ず旧メルパルク解体工事が進むと、1階の床工事と共に地下の解体工事と地上の躯体工事が同時に進められました。
 建物用途は「テレビスタジオ」となっています。ですから、特徴はなんといっても「遮音」「防振」「シールド(遮蔽・しゃへい)=電場・磁場などの外界からの影響を遮断すること」が最重要管理項目となる工事ということです。
 メインのテレビスタジオは3,4,5階吹抜けで2室、報道スタジオが6,7階吹抜けで1室、ラジオスタジオが10、11階に5室あります。これらに付随して副調整室、アナブースなどもあります。
 この建物は東海テレビ放送(株)、東海ラジオ放送(株)の施設ということなので、特殊な部屋が多く、同じ様な部屋であっても仕様や要望が各々で異なり、打合せや施工スケジュールの調整などに通常に倍する配慮が求められています。
 設備工事の開始は昨年二月。取材した一月下旬には約60%の完成度ということでした
。  空調設備は熱源機器として「都市ガス焚冷温水機」2台(1055kw×2台)、「水熱源チラー(熱回収型)」2台(320kw×2台)。冷水蓄熱槽(700?)、温水蓄熱槽(360?)を備えています。「水熱源チラー」は蓄熱運転時には冷水、温水同時に供給できます。また、個室空調などはで部屋ごとで冷暖房切替が可能なビルマルチエアコンを採用しています。「省エネ」に関しては省エネ型冷温水機、雨水利用中水設備、高効率モーター、再生型フィルターなどの採用が挙げられます。
 「なんといってもスタジオが最重要な施設ですから、設備の90%以上が防振金具を使用して支持され、スタジオ室などの音響関連室の壁を貫通する配管やダクト部分には、防振、遮音、シールド対策の工事が付加されるのですよ」と渡部さん。
 「図1 3階スタジオ壁配管図」をごらんください。
 図のスタジオ壁の内側には厚い浮遮音壁がさらに設けられており、壁本体にはシールドシート貼りという重装備です。そして、壁を貫通する配管はサヤ管(SGP)内を通しRW(ロックウール)を詰めて振動を伝えないようにし、その上から鉛シートを貼り付けて遮音しています。給水、排水、消火、ガスなど全ての配管とダクトまでに、これだけの設備をするのですから大変なことですね!
 それでは、実際に現場に出て、テレビスタジオならではの設備を拝見することにします。
シールドハニカム、サヤ管…、 銀黒色の厚い壁に圧倒される
 地下一階の熱源室から連れていただきました。
 大寒入りの冷たい小雨降る日の現場です。日頃、冷暖房の効いた室内で仕事するのが当たり前になっている身には、寒風が吹き抜ける現場での作業に頭の下がる思いがします。
 地下は換気が不十分なのか微細なホコリと、仮設照明設備が少ないせいか、やや薄暗く感じます。
 冷温水発生機、水熱源チラー、ポンプがずらりと並び、整然と配管が施されています。渡部さんが「ポンプが多いでしょう。空調だけで25台あるのですが、この規模の建物でこれだけ多いのは珍しいのですよ」と説明されます。熱源室の面積に対して、ここに設置する物量が多いので、施工図を何度も書き直して調整し、ご苦労があったということでした。
 完成まで、あと三カ月余り、工事はまさに最盛期。建築はもちろん、空調、衛生、電気関係など、大勢の工事関係者が寒さ知らずで忙しそうに立ち働いています。
 それでは、メインの3階「テレビスタジオ」へ。
 廊下から大きな扉をくぐりスタジオの中へと案内されました。
 壁が銀黒色なのはシールド材が張られているからとか。とても精悍な感じ。
 近づいてみて驚きました。
 「ものすごい厚い壁!」 計ってもらうと五十㎝を超えています。
 そして出入り口用の大きな厚い扉、これもすごい! この特殊なシールド扉はとても高価なものだとか。
 サヤ管とロックウールで防振された配管も見ました。貼られた銀黒色の鉛を触ってみると独特のフニャッとした手触りです。
 スタジオ天井内へと壁を貫通するダクトの設備も圧倒されるものでした。ダクト断面には蜂の巣状のシールドハニカムが取り付けられ、壁とのスキ間はロックウールを詰め、鉛シートを貼って遮音してあり、銀黒色です。
 「配管もダクトも、設置前の工程が大変なのですね」
 壁に白墨で「シールド処理済み」と書かれている箇所が目に付きます。細かいところまで気を使われています。「防振」、さらに「遮音」、「シールド」と、とにかく緻密な管理が設備に要求される現場です。
 最後のダッシュがかかった今、関係者の意気込みが感じられる、好奇心いっぱいの取材でした。

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