「名鉄百貨店」現場ルポ
今回は皆様お馴染みのと言うべく 昭和29年創業の歴史ある「名鉄百貨店」の改修工事を 取材させていただきました。
「名鉄百貨店」と言えば、名古屋の玄関口であります名古屋駅前に位置され、鉄道施設、 劇場施設を有する複合施設です。
北はJR、南は近鉄、地下には地下鉄も隣接し、また地下街も広がっております。 もちろん、バスセンターもありますので、お買い物や観劇には最適なのですが、
工事をさせて頂くには、どうなのでしょうか???
「名鉄百貨店改修工事」と申しましても、ゼネコンに依る耐震工事に伴う設備工事や、名鉄新名古屋駅の改修工事でも絡んでまいりますし、
計画的に設備の更新工事も行われております。
拡大しますと、今年9月頃から行われております本館・ヤング館(元セブン館)・メンズ館(元セブン館)の「3館統合計画」にまで広がってしまうでしょうか?
本編では、その中で「MM計画 本館改修工事」をメインにお話を伺いました。
お話を頂いたのは、中央設備エンジニアリング株式会社の後藤秀元所長(写真左)と、同じく宮嶋宣明さん(写真右)です。
電気・空調・衛生の設備全般を統括されております。
MM計画工事概要
2005年 9月 ~ 12月 地下1階改装工事 (フードターミナル) 延1270人工
2006年 1月 ~ 3月 1階改装工事 延1311人工
2006年 7月 ~ 9月 2階~5階改装工事 延3127人工
2006年11月 ~ 12月 7階催事場改装工事 延1225人工
2006年12月 ~ 2007年3月 6階~10階改装工事 現在進行中
その他工事
2005年4月 ~ 2006年12月 各階空調機更新工事 述250人工
2006年1月 ~ 2007年3月 耐震工事に伴う設備工事 述1328人工(2006.12現在)
作業における制約事項
・駅に影響する場所での音出し作業 終電後から始発前(0:30 ~ 4:00)
・名鉄ホールに影響する場所での音出し作業 閉館後(上演時間による)
・各階売り場に影響する場所での音出し作業 閉店後から開店前(20:30 ~ 9:00)
・材料工具及び機器等の搬入搬出作業 従業員の入退店時間外(21:00 ~ 5:00)
特殊な仕様、工法
・仕様 天井及び壁内電気配線は金属管使用(ねずみによる齧られ防止) 圧力管は鋼管使用
・工法 特に無し(品質、工期、安全性、コストを検討し適宜採用)
入場管理や店内警備
・入場管理 百貨店警備室前に工事専属の警備員を配備。
作業員は、事前に申請し発行された内装管理室承認の写真付き入場証を提示し
作業届けに氏名日時を記入し入場する。
・店内警備 各階出入口にも専属の警備員を配備し、入退時に持ち物確認を行う。
鉄道施設とのからみ
百貨店との鉄道系統の電気及び配管が共存しうるエリアでの作業は、鉄道側とも十分な打ち合わせを行い
特にコア抜きや砕り箇所はレントゲン撮影により確認。
周辺近隣・アクセス等
材料工具及び機器搬入等車両の乗り入れには、名鉄百貨店発行の通行証が必要。
原則的には駐車禁止。作業員は、最寄の有料駐車場に駐車し徒歩で入場。
上記は、宮嶋さんにまとめていただいたものです。
恐らくこれを見る限り、他の改修工事とさほど特別な違いがある様には、感じないと思います。
ほとんどの作業に材料工具の搬入や音出し作業は付帯しておりますので、夜間作業がメインとなります。
もちろん昼間可能な作業もありますので、朝から作業される業者さんもみえます。
従って、24時間体制で年中無休の営業に支障をきたさず、長期にわたって管理されているのです。
また先の計画のため、調査や打ち合わせも同時進行で行われているのです。
それは、やはりお客様の名鉄百貨店さんのご理解とご協力なくしてありえません。
確かに新しい工法も宜しいけれど、お客様との信頼関係が良い作業環境を作り、良いもの作りができるのだと、
再確認させて頂きました。
最後になりましたが、ご多忙中にも拘らずお時間を頂きました、中央設備エンジニアリング株式会社の後藤所長、宮嶋さん、
そしてこの取材のためご協力を賜りました、新日本空調株式会社の深田貴裕さんにお礼を申し上げます。
そしてこの「MM計画 本館改修工事」が、引き続き順調に竣工を迎えられます事を祈念いたします。
(企画委員会記)